ただの日記/2月20日

朝から1日中雨だった。病院に行き足の筋力低下を指摘されてかなりショックを受ける。寝込んでいたり運動ができない時期があったせいもあるかもしれないが、たるんだ足がみっともない。もっと歩かなくてはいけない。

 

通勤中に読み進めていた『12人の蒐集家/ティーショップ』(ゾラン・ジヴコヴィッチ/東京創元社)読了。読み進めていくうちに、装丁も内容も紫色に染まっていることににやりとしてしまう。

何かを集めるということは、同時に何かを失うことでもある。様々なものを集める12人のコレクションを描いた連作短編も面白かったが、中編の「ティーショップ」は自分も訪ねてみたくなる店だった。4ページにわたるメニューから、その時々に飲みたいお茶を注文したい。きっと私も「物語のお茶」を所望してしまうだろう。

あまり邦訳されていない作家のようで、もっと他の作品も読んでみたい。 

12人の蒐集家/ティーショップ (海外文学セレクション)

12人の蒐集家/ティーショップ (海外文学セレクション)

 

 

あまり外を出歩く気にもなれず、部屋を暗くして考え事をしたり、録画していた「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」を観たりした。明日、余裕があればエピソード6も観ようと思う。

こんなふうに休日はのんびり映画でも観ながら過ごしつつ、無理のないように働ける生活の仕方を模索していかねばならないと考えている。現状維持では、いずれまた体が悲鳴をあげるだろう。生活レベルを落とすにしても、できるだけ楽しいことを切り捨てずに暮らす方法を選んでいきたい。

 

明日の朝フレンチトーストにするために卵液にパンを浸しておいた。煮たりんごと生クリームも用意しておく。職場に持っていく弁当の準備なんてできていないが、休日の朝にゆっくりおいしいものを食べようというゆとりくらいあってもいいと思った。

今すぐに答えが出なくてもいい。考えて、行動することを諦めなければそれでいい。

手帳に書く、未来へのちょっとした手紙

いろいろありましたが、何とか元気です。ブログも思うように書けず日常生活のリズムも崩れがちだったのですが、やっと調子を取り戻しつつあります。

毎日書こうとしていたほぼ日手帳も、1月に比べて白紙のままめくるページが多くなってしまいました。またぼんやりと日々が過ぎていくのが続くのはいやだなと思い、久しぶりに手帳を開くと今日のページにはもう書き込みがありました。

週末は通院と家事で手いっぱいになってしまう今の心身の状態や、先日の観劇による弾んで張りつめた気持ちへの影響を考えたのであろう過去の自分からのメッセージです。たぶん先週の半ばくらいに書いておいたのだと思います。

落ち着いて休むことや考えをまとめる時間を取ることを予定として組み込まなければ、1日は目まぐるしく、あっという間に過ぎてしまいます。以前、これからやりたいことの予定を手帳に書き込んでおくとちょっとした希望になるという記事を書いたのですが、先の自分に向けた言葉を書いておくのも、リズムをととのえていくのに役立ちそうだと感じました。

少し疲れているかもしれない未来の自分へのちょっとした手紙は、読み返した時には過去から今の自分を大切に思えるやさしい言葉になるはずです。

 

今日は二十四節気の雨水ですね。雪が雨に変わる春のきざし、安定した暖かさを感じられる日が増えていきますよう。

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わたしの命はわたしのためにある

月曜日から風邪で頭が朦朧とし、熱はないとはいえ全身筋肉痛のようになり起き上がれなくなっていた。水曜日には調子を取り戻しつつあったが、今朝ハンガーから上着を取ろうとしたら何故か足を滑らせ家の中で盛大に転んだ。自分の体を支えきれず床で頭を打ったというのに、起き上がって最初に心配したのは転んだ時に当たった家具が壁を傷つけていないかどうかだった。

先日医師に体のこわばりを指摘されて以来、全身が凝り固まっていることにやっと意識が向くようになってきている。同じような姿勢で居続けるのが当然と思っていたので、体が凝っていること自体に気づいていなかった。

体を不自然な状態において、私はどうしたいのであろうか。

いくら仕事を頑張ったところで、体を壊しては働くことができなくなる。お金があっても遊びに行くこともできず、こうしてPCの前に座ることすら難しくなるかもしれない。活動し、食事をし、排泄し、眠るという当然のサイクルにのれなくなる体はとてもつらい。体の不調は心にも影響し、心の不調もまた体に影響する。

今までいろいろなもののために体を使ってきたが、いったいどれくらいのことが本当に体を使うに値することだったのだろう。無理や見栄や建前によって不要な負担を強いられた体をどれくらい労わってきたのだろう。わたしのためのわたしの体を、どれくらいわたしのために使ってこれただろう。わたし以外の何かのために、大切な体を蝕んできたのではなかろうかと、今更ながら思う。

たとえ他者に奉仕するために生きるとしても、わたし自身がいなければ他者もいないのである。わたしの体を、心を、命をわたし自身のために保っていきたいのだ。

 

満足に食事を摂り、風呂に入り、安心して眠れる寝床がある暮らしが当たり前でいいんだよと、片隅で眠れずに命を削っているわたしに声をかけたい。

煮たりんごにチーズケーキとアフターエイトですごしたひとりバレンタインであった。

気負うことなく自分のために作った甘いものは作っている最中も食べている間も無心になれる。明日から少しずつリズムを取り戻す。

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ただの日記/2月13日

今日は博多座の坂東玉三郎特別舞踊公演に行ったのだが、スーパー歌舞伎Ⅱワンピース博多座公演のチケット発売日でもあった。朝からチケット確保に必死になり、何とかチケットが取れた頃にはずっと降っていたはずの雨がいつの間にか止み晴れ間が見えた。

博多座へ行く前に、キャナルシティ博多の無印良品へ初めて足を運ぶ。Café&Meal MUJIで軽めの昼食。店舗入り口のプレートを取って座席を確保してから注文する仕組みだそうで、「田」とか「茎」とか書いてあるプレートから「種」を選んだ。

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2月に入ってから心身の調子が崩れはじめ、ブログを更新できない日が増えた。自分の中にもっとよい種を増やしたいし芽が出るようによく世話をしなくてはならない。自分の世話もできないのに、誰かの力になろうとするのは無茶が過ぎる。気づかぬうちにそんな無茶を繰り返そうとしていて身も心もボロボロになってしまう。

キャナルシティ博多の無印良品は本も多く取り揃えており、1日中見て回りたいほどだった。今度ゆっくり過ごしてみたい。博多周辺の楽しみが増えた。

 

博多座は満員御礼。3階席最後列だったがちょうど中央あたりの席で全体がよく見えた。

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「船弁慶」では坂東玉三郎が静御前と平知盛の霊の2役、弁慶に中村獅童、義経に中村児太郎。「正札附根元草摺」は曽我五郎を中村獅童、舞鶴が中村児太郎。「二人藤娘」に坂東玉三郎と中村児太郎。中村児太郎、3演目とも出演していてすごい。

最後の「二人藤娘」で二人の藤の精が花道に引っ込んだ後、拍手が鳴り止まず大向こうも響き、異例のカーテンコール。藤娘に出ていなかった中村獅童まで奥から出てきて、2度もカーテンが開いた。1階席はスタンディングオベーション、妙に興奮してしまい拍手している自分の額に汗が浮かんでいた。

どうも舞踊というと何を表現しているのかわからない・何を言っているのかわからないと敬遠しがちであったが、今回の公演、特に「二人藤娘」はただ美しかった。意味や理由を考えなくても、素直にきれいだと思うだけでいいのだ。

 

それにしても隣り合うポスターの落差よ。4月の公演も楽しみだ。

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晴れ間が見えたと思ったら博多座を出ると激しい雨に見舞われた。地下道を通りながらできるだけ雨を避けて天神方面へ。イムズの三菱地所アルティアムで気になっていた美術展に立ち寄った。

artium.jp

鉛筆画、アクリル画、撮影技法を駆使した作品を観ると、もっと自由に表現していいのだと思える。気づいていない縛りをたくさん自分にかけている。言葉遊びも面白く、パングラムというものを初めて知った。

ソラリアプラザ地下のDEAN & DELUCAへ初めて行き店内のかがやきぶりに圧倒される。朝からチケット購入に奮闘し無印良品で刺激を受け歌舞伎を観て昂ぶったうえに美術展まで行ってしまったので、これ以上きらびやかな所にいたら疲れ果てると思い退散。おとなしく帰って来た。

今日受けた刺激を明日からよい方向に進むための糧にしたい。

モネ展へ行ってきました

福岡市美術館のモネ展に行ってきました。2月4日から九州初公開で「印象、日の出」が展示されていたこともあってか、美術館の外まで行列が続く盛況ぶりでした。

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モネというと睡蓮ばっかり描いていたひとくらいの知識しかなかったのですが、肖像画や風景画、鉛筆による風刺画の展示もあり、10代後半から最晩年までの画業をたどれる展示になっていました。

「印象、日の出」は50×65cmと思っていたより小さく、朝日が昇る港の柔らかな空気が感じられる絵でした。展示室ではじっくり見たいひとは後方から、近くで見たいひとは絵の目前を歩きながら鑑賞するようにアナウンスされていたので、ゆっくり見るには平日に行った方がよいのではと思います。

睡蓮の絵だけで8枚展示されており、庭や植物画も多く見られましたが、モネは晩年白内障を患っていたせいか、何が描いてあるのかわからないような作品もいくつかありました。

印象派というと柔らかい色彩と淡い空気感をイメージしていましたが、動き続ける植物や水面の一瞬を捉えようとした絵は荒々しい筆致で何も見逃すまいと塗り重ねられた執念にも見えます。いろいろな睡蓮が見られたので満足です。

 

モネ展のあとは、近現代と古美術系の常設展へ。福岡市美術館はポール・デルヴォーの「夜の通り(散歩する女たちと学者)」を所蔵しているはずなのですが、今回は展示されてなくて残念でした。動物絵画を集めた企画で狐の剥製と一緒に長谷川潔の「仮装したる狐」が展示されていて思わぬ喜び。でもひとの多さに圧倒されて早々に退散しました。

 

気持ちの良い晴天で、美術館横の大濠公園では散歩やランニングをするひとでいっぱいでした。このまま暖かくなっていってほしいものです。

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大濠公園そばには福岡城址があり、堀には夏に蓮の花が咲きますが、今の時期は緑はなく水面は真っ暗でした。

 

独り身には過ぎたるりんご

ほんのりと甘いりんごの香りが漂う中で書いています。

タカノフーズが毎年秋から冬にかけて行っている懸賞に応募して、青森産のサンふじりんご約10Kgに当選しました。宅配便のひとが息を切らして運んできてくれた段ボールには40個のりんごが詰まっています。

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毎日納豆を食べていて、手に入りやすいタカノフーズのおかめ納豆が食卓に並ぶことが多いです。おかめ納豆といえば「うまかたれ」がついている赤いパッケージのものか、「糸の力」という粘りの強いものだと思っていたのですが、九州限定商品のようです。納豆のバリエーションがすごい。

納豆ラインナップ | おかめ納豆 タカノフーズ株式会社

 

余談ですが東南アジアから中国にかけての納豆文化も日本とはまた違って、糸を引く豆粒タイプより、乾燥させたせんべい状のものやひきわりにしてミンチのように使うタイプの方が多いらしいです。 

納豆の起源 (NHKブックス No.1223)

納豆の起源 (NHKブックス No.1223)

 

 

タカノフーズの懸賞には立派な肉やカニのコースもありますが、りんご一択で応募しつづけて早3年、ついに我が家にりんごがやってきました。身に余るほどのりんごが手に入ってありがたいです。タカノフーズに足を向けて寝られません。今やちょっとしたりんご長者です。しばらくは毎朝のりんごに不自由しません。

とはいえ毎日1個食べ続けても来月半ばまで残るので、傷まないうちに加工しておきたいと思います。バレンタインはりんご祭りになるかもしれない……。