20180102

今朝はすっきりとした晴れ。シネマ歌舞伎を観るために博多の中洲大洋映画劇場へ。映画は昼からなので、初売りの列を横目に午前中はスタバでゆっくり過ごした。初売りの戦利品を抱えた人たちが増えてきた頃合いに映画館へ向かう。三が日だからか、みんな初売りに行っているのか、映画館は普段の休日より空いていた。

シネマ歌舞伎「熊谷陣屋」。中村吉右衛門坂田藤十郎中村魁春中村梅玉、今は亡き中村富十郎をスクリーンで見られるのはすごい。年末年始のおめでたい雰囲気にはそぐわない内容と思うけれど、ただカッコいいとか綺麗ということではなく、表に出すことのできない感情や心の機微を掬い取っていくような物語。そんなに多く歌舞伎を観ているわけではないが、花道にいる役者を見て胸が苦しくなるなんてこの話くらいでしか感じたことがない。いたたまれなくて花道から逃げ出すように駆けていく姿には、普段花道に役者が出てくると感じる、明るく華やかな美しさも奮い立つような力強さもゾッとする程の迫力もない。ただただ観ていて苦しくなり、もっとよく知りたいし何度でも観たいと思わせられる。正月から感傷的になりながら映画館を後にした。

中洲から博多駅まで歩いて行こうとしたらキャナルシティ博多で迷子になって、Googleマップのお世話になりながら何とか徒歩で駅にたどり着いた。感傷はすっかり吹き飛んでJR博多シティの大銀魂展の行列に並ぶ。待ったのは30分くらい。面白いスタッフの方がいて「危険物の取り締まりを強化しているので、ジャスタウェイなど危険物の持ち込みはご遠慮ください」と原作ネタで笑いを誘い和やかな待ち時間になった。原画の迫力やカラーの美しさもさることながら、映像や展示パネルの主張も激しく目移りする展示だった。人混みでフワフワした頭を抱えて丸善で少し本を物色。隣の博多阪急で開催されていた志村貴子原画展は落ち着いた雰囲気で、繊細な絵に背筋の伸びる思いがした。

おみやげに小倉山荘でお菓子を買って帰宅。NHKでは歌舞伎座初芝居生中継をやっていて、今日は歌舞伎がたくさん観られた。