お菓子作りは甘くない/ジンジャークッキーを焼く
年中販売されてはいますが、寒くなってくるとジンジャークッキーが無性に欲しくなります。
アメリカ風の厚みのあるタイプとヨーロッパ風の薄いタイプとありますが、私はスウェーデンの薄いジンジャークッキーが好みです。
カルディに売ってるジンジャースナップスは薄くて軽いのであっという間になくなってしまいます。味が4種類あるので、どれにしようか迷っては店の棚の前から動かなくなる迷惑な客になります。
IKEAのジンジャークッキーも外せません。こちらも3種類の味があり、クリスマスが近づくと季節商品としてツリーや星形のクッキーも販売されています。
こちらもカルディに売ってますが、ショウガがかなり効いたビスケットです。紅茶メーカーが出しているだけあって、濃いめのミルクティーと一緒にいただくと美味しいです。
Janat ジャンナッツ ジンジャー ビスケット 80g | カルディコーヒーファーム 公式オンラインショップ
クリスマスとジンジャークッキーの関係は複数のサイトで紹介されていますが、ショウガやシナモンといった強い香辛料は保存性が高く、魔除けとしても重宝されていたことと、16世紀にヨーロッパでペストが流行した頃、予防としてショウガが効果的だと知ったヘンリー8世によって国民に推奨されたことが始まりのようです。
クリスマスと生姜の深い関係ーージンジャーブレッド | 生姜部だより | 永谷園生姜部
クリスマスにはジンジャーブレッドマン? | 食育大事典 |食育まめ知識と健康レシピ満載!あなたの健康生活をサポート
リンドグレーンの『長くつ下のピッピ』では床一面にクッキー生地を伸ばして大量のジンジャークッキーを焼くくだりがありますが、実際に「ピッピのクッキー」を作ったエピソードが三浦しをんの『三四郎はそれから門を出た』に載っています。
著者がショウガ入りクッキーを作ろうとスウェーデン料理の紹介サイトやお菓子の本でレシピを検討するも、手順を進めるごとにどんどんおかしな物体ができあがってしまい、私は何回読んでも笑ってしまいます。
でも小説や漫画に出てくる食べ物の再現は面白そうだし、自分でジンジャークッキーを作れるようになればいちいち店に買いに行かなくて済む……。なので年中行事にかこつけて、ジンジャークッキーを作ってみることにしました。
ジンジャークッキーのレシピは様々ありますが、NHKで放送されている「グレーテルのかまど」で「ピッピのクッキー」のレシピが紹介されています。毎回文学作品や音楽、映画などを元に、お菓子のレシピだけではなく作者や物語の背景も紹介している番組で、2015年4月からは再放送をしています(番組を知った当初は「仮面ライダーキバがお菓子作りをしている!」と歪んだ目線で観ていました)。
『長くつ下のピッピ』のジンジャークッキー| レシピ | NHK「グレーテルのかまど」
ただ、レシピにはバター、ナツメグ、クローブと、常備していない贅沢そうな材料が並んでいたので、気軽に作れそうなこちらのレシピを参考にさせていただきました。
材料はこちら。参考サイトにはアイシングの材料も載っていますが、今回はデコレーションなしのクッキーとすることにしました。
[A]
薄力粉 … 100g
甜菜糖 … 20g
コーンスターチ … 30g
シナモンパウダー … 小さじ1/2
塩 … ひとつまみ※甜菜糖代わりに、ブラウンシュガーでも可。
[B]
菜種サラダ油 … 大さじ3
すりおろし生姜汁 … 大さじ2
豆乳 … 大さじ1と1/2
メープルシロップ … 大さじ1
薄力粉を米粉に、甜菜糖を黒糖に、コーンスターチを片栗粉で代用し、ショウガの辛みが欲しかったのですりおろしたショウガも汁と一緒に入れました。
粉類をふるって、ショウガをすりおろしたら他の液体類と一緒に粉と混ぜてまとめ、生地を伸ばして型抜きします。すりおろしショウガも混ざっているせいなのか、なんだか生地がべたついている気がしましたが、ともかくジンジャーマンとか花とか適当な型で抜いて170℃のオーブンで13分ほど焼きました。が……。
参考サイトに載ってる写真と全然違う代物ができましたよ……。
なんてよどんだ色をしているんだキミたち……。
黒糖を使っているのと生姜のすりおろしがそのまま入っているのが原因と思われます。ショウガの繊維がそこかしこに出ていらっしゃる。
冷まして味見したところ、米粉と片栗粉で作ったせいか、どことなくもっちりした食感になりました。味はショウガの辛みが効いた自分好みのものになっていたので良しとします。アイシングをすると、さらに可愛らしくクリスマスらしくなるのでしょうね。
一応食べられる代物ではあるものの、これじゃ気分的に盛り上がらないよ……お菓子作りに限らず、料理は一日にしてならずと思うのであります。