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グチを客観視できたら、見える世界が変わるのかもしれない/原祐美子『グチの教科書』

職場で聞いてはいやな思いをしつつ、自分も口にしていたであろうグチ。吐き出しても我慢してもいいことなさそうなのに湧きあがってくるそれと闘う方法を見つけないと、職場に復帰してもまたつらい思いをすると思い手に取った本です。

グチの教科書 (マイナビ新書)

グチの教科書 (マイナビ新書)

 

グチを言う時って案外何も見えてない

そもそもグチとはどういうことなのか、言葉の意味を調べてみました。ついでにグチと文句の違いについても検索。

デジタル大辞泉の解説
ぐ‐ち【愚痴/愚×癡】

[名]言ってもしかたのないことを言って嘆くこと。「くどくど―を並べる」
[名・形動]《〈梵〉mohaの訳。痴・無明とも訳す》仏語。三毒の一。心性が愚かで、一切の道理にくらいこと。心の迷い。また、そのさま。

デジタル大辞泉の解説

もん‐く【文句】

1 文章中の語句。文言。「気のきいた―」「殺し―」
2 歌謡などで、メロディーに対して歌詞をいう。「歌の―」
3 相手に対する言い分や苦情。不服。「弁償してもらえるのなら―はない」

明日締め切りの仕事が終わらない時、1日が24時間しかないことをただ嘆くのがグチ、1日が24時間しかないのにスケジュールがタイトなことへ苦情を言うのが文句、といったところでしょうか。

自分が行動を起こすわけでもなく、かといって他の人に助けを求めるわけでもなく、その場の感情や何となく思ったことを垂れ流し続けるだけでは、自分にも周りの人にもいい影響はなさそうです。

グチが出やすい場面、よくあります……

本書ではグチが発生しやすいパターンが7つ挙げられています。

  1. 日常のイライラ
  2. 疑い・不安
  3. 到達不能(自分の理由によってやりたいことを実現できそうにない)
  4. 自分のコンプレックス
  5. 愛情からの心配
  6. コミュニケーションミス
  7. 期待外れ

電車が遅れてる!というような日常のイライラや、家族や社員同士のコミュニケーションミスなんてあって当然ですし、どうにかできるものではないでしょう。でも、将来のことが不安になってネット検索が止まらなくなったり、「あなたのため」と言いながら自分の気持ちを押し付けてしまったりというような、自分の感情や思い込みが引き金になるグチもあるのですね。

「会社が悪い、社会が悪い」と外的要因によって愚痴をこぼしている背景に、抽象的な意識やその場の感情に流されてしまっている、内的要因が潜んでいる場合もあることになります。

割と私は、過剰に心配してしまっていろいろ調べようとするも答えが見つからなかったり「こんなの無理」と落ち込んでしまってネガティブになりがちなので、自分自身で毒を作り出しているような状態になっていたようです。

未来につながるグチは、もうグチじゃない

でもグチひとつ言わずいつでもポジティブにいられるひとなんて、そうそういないのではないかと思います。本書では、ネガティブであることを認めつつ、自分の感情を具体的に表現したり、うまくいかないことに対する分析を冷静に行ったりすることで、不毛なグチの垂れ流しから脱却すればよいといいます。

他にも、話の内容というのは最後の部分が最も印象に残りやすいので、グチを言ってしまっても最後は代替案を出す、言った内容を茶化してしまうなど、出口のない状態で話が終わってしまわないようにする方法が紹介されていました。

思うようにならないのは気分のいいものではありませんが、うまくいかないからといって全てが無駄になるわけではないと思えば少しは気が楽になります。本当は常に客観的に状況を分析して、PDCAサイクルでも回せるようになればグチなんて出てこないと思うのですが……まだまだ未熟な私は、ひとまず他の人を不快にさせるようなグチは言うまいと決めたのでした。

グチのない、建設的な会話のできる職場へ行きたい……。