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休み方がわからない/楽しかったけどイライラする 文楽「桂川連理柵」

休み方が下手だとよく言われます。

体調を崩し、休日くらいゆっくり休めと言われても、体が動くのなら普段できていないあれこれをやらねばと家の中をうろうろしてしまいます。本を読むにしても「ここから何かを学ばねば」と変な力みが入っていて、うまく内容が入ってこないです。

でも横になっても落ち着かないので思いきって以前録画していた文楽公演を観ることにしました。12月の博多座文楽公演で上演予定の「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」。2012年に録画していたもので、竹本住大夫義太夫が聴けて心なしか落ち着きました。

しかし心中物は、体調不良の時に観るには少々疲れるようで……。冒頭から、公道で兄嫁に横恋慕する弟の登場、家に帰れば嫁姑の争いと継子いじめ、夫の不義とそれを受け入れているようでちくちく責める妻と、人形劇で観る昼ドラという感じです。

この物語の主人公、帯屋長右衛門がまた煮え切らない男で、特に女性は観ていてイライラすること請け合いです。30代後半で隣家の14歳の少女に手を出し、金銭のゴタゴタに巻き込まれ、妻の機転によってピンチを切り抜けるも泣き出す始末。

しかもよく疲れ、よく眠る男です。自分が追いつめられている状況にもかかわらずよく眠れるな……私は横になるだけでも落ち着かないのに……と八つ当たりしたくなります。

最終的に彼は死を選ぶのですが、そこに至るまでの展開もその場の勢いみたいなもので、観ている側としては納得いかないのです。心中物は割と「とっくに死ぬつもりでいる女性」と「その場の状況を突破できそうになくて女性の勢いに乗っかる男性」のパターンがあると思っていますが、そうはいっても腹の中で何かが煮えているのを感じます。

他にも、妙に態度のでかい恐ろしい顔の継母、人を陥れようする弟の品のない振る舞いなど、滑稽にさえ見える人間の嫌な部分が表れるシーンが随所にあります。実際に観に行った時、劇場でイライラしないように気を付けようと自省したのでした。

休日なのに文楽で悶々とし自己反省とは、やっぱり私は休むのが下手なようです。でも楽しかったので後悔はしてません。